いろはにほへと日本語教室フィレンツェでは、毎年、二学期に幼児クラスと読み書きクラスの各学年ごとの作品展示を行っています。
過去の展示の様子はこちら:
いろはにほへと日本語教室フィレンツェ秋の展示2017・子どもたちの作品をご紹介します!
幼児クラスの作品『トンボ』
今年の幼児クラスのテーマは、「トンボ」。
子どもたちが思い思いに作った可愛いトンボたちが、青いお空を楽しそうに飛んでいます!ひとつひとつ、自分の名前やオリジナルデザインが描いてあって、とても可愛いですよ。
こちらの動画はローマ字の歌詞フリガナ付き。日本語が読めないご家族の方も一緒に楽しめますので、ぜひ子どもさんと一緒にお歌を歌ってみてくださいね。
読み書きクラス1年生の作品『すきなもの、なあに』
1年生 の作品、「すきなもの、なあに」。今年小学校に上がった子どもたちが、日本語で初めて書いた文です。
辛いからカレーが好き、強いからゴリラが好き、大きくてかっこいいから恐竜が好き…、と、実はこのクラスは男の子ばかりのメンズクラスなので、内容も男の子らしいものになっています。
カラフルなイラストがあったり、字を書く場所に気を配ったり、個性がよく出ていて素敵な作品たちです!!
同じく1年生の作品、こちらはたまたま女の子ばかりの女子クラスですが、「好きなもの」も絵の感じも実に可愛らしいですね。
ひらがな・カタカナも、とても上手に書けています!
読み書きクラス2年生の作品『きのこのちえ』『どうぶつカルテ』
2年生は、きのこの秘密をまとめた「きのこのちえ」を作りました!
とてもコンパクトに、でも大事なところがきちんとまとめられていますね。
食べられるきのこ・食べられないきのこのイラストもとても上手で、本物を見た時もすぐに分かりそうです。
きのこの仕組み・成長の仕方もわかりやすく書いてあります。
お迎えに来たお母さんが展示を見て「あら、知らなかったわ~」とおっしゃっていました!段々と子どもたちの方が物知りになっていくかもしれませんね。
こちらは子どもたちが想像の中で「獣医さんになって、自分が診てあげた動物たちのカルテをつくる」という取り組みです。
歯が折れてしまったトラ、足が折れてしまったウサギ、えびを飲み込んでしまったペンギン… かわいそうに!!
でも、名獣医の手で手術してもらったり、薬を塗ってもらったりで見事完治した様子です。
2年生には難易度の高い折り紙ですが、先生に教えてもらいながら頑張って作りました!
顔の描き方や貼り方がそれぞれに個性的で面白いですね。
読み書きクラス3年生の作品『いろは新聞』『里山は、未来の風景』と書道作品
3年生は、授業で行ったお友達へのインタビューを各自がまとめて「いろは新聞」の記事作りに取り組みました!
読み書きクラス3年生『伝えよう、楽しい学校生活』インタビュー体験をしました!インタビューの項目は同じでも、まとめ方に個性が出ています。
たくさん色を使って豪華に飾ったり、逆に色を抑えて見やすくまとめたり、可愛いイラストを添えたり…
また、学年が進むにつれて書くことのできる漢字が増えたり、ひらがなやカタカナもバランスよく上手に書けるようになっているのがわかります。
お友達の意外な好き嫌いやおうちの場所がわかったり、人の話をきちんと聞いてまとめるという経験はなかなか子どもたち自身にとっても面白かったようです。
そしてこちらは同じく3年生の作品、教科書で学んだ「里山は、未来の風景」を自分の文章と絵で表現しました。この学習では、伝えたいことを言葉だけでなく絵や写真を添えて伝えることによってより相手の理解が深まる、ということを知りました。
習ったことをしっかり活かして、上手に表現できています。
また3年生以上は書道作品にも挑戦します。
年に一度の書初めの時以外、なかなか毛筆を使うことはないのですが、しっかりと練習してきちんとした字が書けていますね!
とてもシンプルな「木」という一文字ですが、止め・払いなど、書道の大切なポイントも含まれています。それぞれにバランスに気を遣い、上手に仕上がりました。
読み書きクラス5年生の作品『昔の作品を読んで、世界観を考える』
5年生は、平安時代・鎌倉時代など昔に書かれた俳句や随筆などの作品を勉強しました。
それらを基に、原文と現代文訳の対比に作者の世界観を表すイラストや装飾をつけ、個人の感想も添えています。
こちらは清少納言作「枕草子」を選んだ生徒の作品。
こちらは作者不詳、平家の栄華と盛衰を語った「平家物語」について。
難しい漢字も多く、日本で暮らす子どもと違って大河ドラマや時代物などで古い言葉に触れる機会も少ない子どもたちですが、この作品を解説する映像を見たり、関連の本を調べたりしてその世界観を理解しました。色々な努力のおかげで、しっかりと作品の本筋がつかめていることが、感想文に表れています。
同じく鎌倉時代、末期に成立したとされる兼好法師(吉田<卜部>兼好)作「徒然草」です。
「徒然草」はとても庶民的な、日常を描いた内容です。また、兼好が考え書き表した内容は現代日本でも十分に通じるような話題が多く、子どもたちもやはり同じように身近に感じたようです!
昔の作品ながら、自分たちのルーツに親近感を覚えてくれたのはとても嬉しいですね。
時代が下って、松尾芭蕉作「おくのほそ道」を紹介したのがこちら。
作者のイラストがいかにも芭蕉を表していて素晴らしいですね。そして、感想が「旅をするのにお金がたくさんあったのだと思います」という着眼点もとてもユニーク!:)
同じく、俳句にちなんで昔の暦についてまとめた作品がこちら。
四季の他に二十四節季も書き込まれて、とてもわかりやすく解説されています。
そして最後に、昔の作品が表されたのはどんな舞台だったのか?を考えたのがこちらの作品、『昔のたてもの』。
ヒノキといえば今は高級木材のイメージですが、『日本書紀』にも「杉と楠は舟に、ひのきは宮殿に、槙は棺にしなさい」と書いてあるそうです。昔からそのすぐれた性質を活かして、お寺や宮殿などの大切な建物に利用されてきたのですね。
簡潔にその素晴らしさを伝える作品になっています。
読み書きクラス6年生の作品『「やまなし」の作者・宮沢賢治』と書道作品
6年生は、教科書で学んだ「やまなし」の作者、宮沢賢治について調べました。
ちなみに「やまなし」とはこんなお話です。
参考 宮沢賢治 やまなし青空文庫
宮沢賢治らしい、とても幻想的な世界観でその様子が目に浮かぶような描写の美しい作品ですが、その内容を理解する・教えるのは実は結構難しいんですよね…
昔、教科書で読んだという方も多いかもしれませんが、もう一度読み返してみてください!
そして子どもたちの描いたイラスト。
同じ作品を同じように読んでも、それぞれの頭の中に浮かんだ世界は違うもの。どちらもわかりやすく表現してあります。
そして書道作品。6年生ともなると、力強く止め・はね・はらいをしっかり意識した素晴らしい作品に仕上がっています!
作品はしばらくテルメ教室にて展示しています。送り迎えの際などに、ぜひご覧ください。